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かぼちゃねこ日記

アメリカから見えるもの。考えたこと。

今いる組織を中から変える

ワーク×ライフ
ワークライフバランス・カフェでテーマとして取り上げられた「今いる組織を中から変える」。

togetter.com

私も会社の制度を変えようと挑戦したことがあるので、書いておこうと思う。
 
 

きっかけ

「海外赴任同行休職制度はないんですか?」
夫が海外赴任になる前から何度か会社の担当者に聞いていた。
 
海外赴任同行休職制度については商社や公務員で導入開始という報道も目にしていた。
夫の海外赴任に同行するために退職する女性社員も周りに増えつつあった。
 
この状況だったら数年後にはこの会社にも休職制度ができるだろう、とのんびり構えていた。
 
しかし。全くそのような動きは出てこない。
 
「育休世代のジレンマ」を読んで、会社の中から声を上げて会社を変えることが重要、という言葉が強く心に残った。
そうだ、諦めて辞める前に私がやれることがある、そしてたぶん私が動かないと全く状況は変わらない、と気づいたのは、既に休職終了まであと一年となった時。
これは気づくのが遅すぎたかも…と思った。
しかし、私には間に合わなくても後輩の役に立つかもしれない、会社で働き続けていたら怖くて言えないことも、既に守るべき立場もない私なら言える。
 
まずは言いたいことをガーっとテキスト打ちしてみた。
出るわ出るわ、改善案、悔しさや辛い気持ち、子どもを持って共働きするってそんな贅沢でわがままなことなのか、とかぐちゃぐちゃに絡まり合った言葉。
気持ちがスーッとして、これを総務にメール送信しようか、と一瞬思った。だが。
それで自分の心は一時すっとしても、たぶんそのメールは既読無視で終わる。
そんな一社員のメールなんかいちいち構ってられないだろう。
きちんと伝わるべきところに伝わって、前向きに検討してみようと思えるものにしなくては意味がない。
検討に値する資料、それはこの会社の場合、PowerPoint資料ということだ。
 
 

PowerPoint資料を作る

まずは伝えたい要素を整理する。
改善、新設してほしい制度や、明文化されていないきまりは山ほどあったが、大きく二つに絞りこんだ。
 
1. 海外赴任同行休職制度の新設。
2. カムバック制度で再雇用時に、育児や介護等の事情がある場合は短時間勤務も選択可能とすること。
 
資料の基本である
はじめに→背景→現時点の問題点→解決案→まとめという形に沿うように要素をまとめた。
参考資料として、今後海外赴任が増加するという客観的数字が入った資料、商社・公務員の制度の紹介を付け加える。
この時、自分の個人的な状況や心情を書いて訴えるだけではなく、客観的事実や数字を使用するよう心がけた。
 
ストーリーとしては、
会社にはこんな良い制度がある。→さらにこのように改善したらもっとよい制度になる。→制度改善することにより、会社にこんなメリットがある。という筋書きにした。
 
とにかく、わがままな女性社員が自分が生き残るために必死に何か言っている、という風に受け止められたら終わりだ、と思った。
 
一日中私と一緒にいる次女が昼寝した瞬間を狙って、PCを立ち上げ、参考資料を探したり、資料を作ったり。
しかし、それは思いのほか楽しい作業だった。仕事の資料作りを思い出し、ああ私こういうの好きなんだなー、と再認識した。
 
 

送付先と協力者

さて、資料は作ったものの、どこに送ろう?
会社の総務ではそのままうやむやにされる可能性が高いと思った。
前向きに検討してもらえそうなところで思いついたのは、親会社の女性活躍推進室。
一度、推進室との懇談会に出席させてもらったことはあるが、私には現在の担当者との繋がりがない。
そこで、その懇談会をセットしてくれたAさんと、親会社にいるBさんに協力をお願いすることにした。この先輩達は、マミートラック時代にあれこれ首をつっこんでいたおかげで繋がれた人達だ。

 

satsukinmnl.hatenadiary.jp

 

この協力お願いのメールを出すことはかなり迷った。私のわがままを通す為に多忙な人達の手をわずらわせていいのか、こういったことに協力することで彼女達の社内評価が悪くなることはないか…?
しかし、これはやるべきことだ、これをしないで辞めたら後悔する、という思いでメールを出した。わがままな人だな、面倒臭いなと思われるんじゃないかとメールを打つ手が震えた。
だが、彼女達は迅速に対応してくれた。私の作った資料に対して伝わりやすくするための的確な修正。特に私が抑えていた思いをもう少し入れてもいいのでは、との指摘。推進室に伝えるルートの確保。
 
さらに労働組合にも資料を渡したほうがいいよ、とTwitterで教えていただき、組合の知り合いCさんにもメールを送ろうとした。が、メールアドレスは会社PCにしか入っていない。facebookをやっていることを知っていたので、友達申請をして、そこからmessengerでメアドを教えてもらった。
 
 

いざ送付

まずはAさんから女性活躍推進室へ頭出ししてもらった。そして正式な申請ルートがあるのでそちらから資料を送ってほしい、との回答と、制度をこれからも充実させようと思っているので私が帰ってくる頃にはもっと多様な選択肢を用意する、との言葉も。
正式な申請ルートで送った後、2.のカムバック後の短時間勤務を制度改善案として入れた、との報告をもらった。まだ案なので、正式に制度になるかどうかは分からないけれど、と。
 
組合のほうはCさんに資料を送ると、こちらも正式な申請ルートがあるのでCさんがそちらに送ってくれるとのことだった。今度の春闘に間に合わないかと伝えたが、春闘案は既に調整済みであること、組合も沢山の課題の中から議論、選択して会社への要求案を作るので時間がかかるとのことだった。
 

終わりに

ここまでが私が行えたことの全てだ。
「組織を中から変える」ことができるかどうかはまだ分からない。
もしかしたら何も変わらないかもしれない。それでも何かを少し動かすことはできただろうか。
個人的にはこんな要望を伝えたいと思う気持ちに、真剣に向き合って協力してくれる人達がいる、ということが一番の収穫だった。
会社員生活を続けてきてよかったな、いい人達に恵まれたな、と感謝の気持ちでいっぱいだ。
 
この経験を書くことで、読んでくれた人がまた行動を起こしてくれたら嬉しい。少しずつでも中から動かしていってください。たぶんあなたが動かないと誰も気づかないから。

 

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

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