かぼちゃねこ日記

アメリカから見えるもの。考えたこと。

転勤と家族の犠牲

http://www.komazaki.net/activity/2017/01/004883.html

 

転勤制度について問題提起されているので、私の知っている具体的な例をあげたいと思う。

例1
4月に幼稚園に入園する子がいるご家庭。
半年前に願書をもらいに朝5時から並び、制服その他必要なものの購入、入園費用の納入を済ませた後、夫の4月転勤が分かる。
夫婦で話し合った結果、夫は単身赴任。
妻は1人で2人の子どもの育児を担う。

例2
マンションを購入したばかりのご家庭。
夫の海外赴任が決まり、半年しか住んでいないマンションを貸しに出し、妻は退職して同行。
海外での妻の就職は禁止。

例3
受験を意識する子どもがいるご家庭。
長期海外赴任を打診された夫に家族で同行することにし、塾をやめ、持ち家を貸し出す。
赴任期間が変わりわずか半年で帰国。
持ち家は貸し出し中のため、別のマンションを借りる。
子どもは塾に戻るも、勉強に半年の遅れ。

例4
妻が専業主婦で小さい子がいるご家庭。
夫の海外転勤に伴い家族で同行。
妻は言葉の通じず知り合いもいない場所での育児で鬱症状に。
任期途中で家族で帰国。

例5
妻が専業主婦のご家庭。
夫の雪国への転勤に伴い同行。
知り合いも親戚もいない土地で、子どもも巣立ってしまい、妻が鬱症状に。

こういった例が全国各地で繰り広げられていると思う。
配置転換による社員のキャリアアップが必要な時もあるとは思うが、
「2〜3年で転勤することが、昇進するのに必要」という長年続いてきた会社の慣例に従うことで、家庭にしわ寄せがいき、犠牲となる家族がいる。

また、必要な転勤であっても、今は1週間前や1ヶ月前に知らせることが多いが、それでは家族の準備が整わない。
遅くとも半年前には本人に打診するべきだろう。
例えば4月入園の保育園の申込締切は前年の12月、幼稚園だと前年の10月に願書配布は終わっている。
1週間や1ヶ月前に知らされても、その時には転勤先で入れる幼稚園や保育園は見つからない。
その他、配偶者の勤務先に配置転換や休職を依頼するのも、介護施設を探すのも、半年位の期間は必要だろうと思われる。
海外赴任であれば、赴任先の言語の習得も必要だ。

そして、この少なくとも半年前には家族の準備が必要だろう転勤を、社員全員に2〜3年毎に行う意味があるとはやっぱり思えない。
犠牲と、それによって得られるものが釣り合わない。

今までは、会社には家族の犠牲が見えていなかった、なかったものにされていたけれど、もう可視化されてきた以上、この流れは変わっていくだろう。
転勤族の家族の1人として、期待している。