かぼちゃねこ日記

アメリカから見えるもの。考えたこと。

主婦であること、母であること

「主婦であることを誇りに思ってるし、肯定されたい、世の中に認めてもらいたい」

NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 でVERY編集長が言っていた言葉が印象に残った。
 
これは、VERY読者の気持ちを代弁した言葉。
VERY読者ではない私だが、分かる分かる、という気持ちと、なんだか引っかかる気持ちとが半々で、気になった。
 
まず、主婦という言葉の定義。
VERYの場合、30〜40代既婚で子どもがいる女性、仕事はしてもしてなくても主婦に含まれるようである。
一般的に言えば、「主婦」というよりは、「母」に近い。
 
で、 ただいま専業主婦で、なおかつ母である私が、分かる分かる、と思ったのは、「(母であることを)肯定されたい、世の中に認めてもらいたい」という点。
そして、引っかかったのは、「主婦であることを誇りに思っている」という点だ。
 
母というのは、人間の命を預かって育てるという責任の重い大変な仕事をしてる割に、ママさんとか呼ばれて小馬鹿にされてる雰囲気があり、社会人としては一段下に見られている。(と思う。)
母になった途端、会社でも長時間働けない迷惑な人になるし、社会的弱者になるのだなー、と実感する。
母ってもう少し尊敬され、大切にされていいよね、と思う。
 
しかし、その反面、主婦であることを誇りには全く思えていない。
私が会社員という立場と、専業主婦という立場、どちらも体験できてよかったな、と思うのは、社会的に認められる立場と、社会的弱者、どちらにも立てたことによって見えるものが全然違うなー、ということが分かったから。
 
主婦が社会的弱者だから、その基準を自分の中にも持ち込んで、主婦であることに誇りが持てないのだろうか…?それも理由の一部だろう。なんてったって私は男女平等教育を受けて、女性も社会的に成功することこそ幸せだ、という考え方を叩き込まれているのだから。
 
しかしやはり単純に、主婦の仕事である掃除や料理をはじめとして家をきれいに飾り立てたり、素敵な奥さんらしく装ったり、人を家に招いてもてなしたり、そういうこと全て、好きじゃないし得意じゃないことが大きいだろう。
 
知り合いで、VERYを定期購読し、「子どもが大きくなるとみんな働き出してつまらない、ずっと主婦してたい。」と言っていた人がいて、本当におもてなし上手だし、お家はいつも素敵に整っているし、いつも楽しそうで、キラキラ輝いていた。専業主婦が天職なのだ。
本当にこのような人がいるのだ、世の中には…!とすごく驚いて尊敬しているのだが、もしかしたら私が知らないだけで、かなりの人数いるのかもしれない。主婦業が好きで得意で誇りに思っている人々が。
 
けれど、この番組を見て感じたのは、私も主婦であることが好きになりそう、誇りに思おう…!ではなく、 編集長大変だろうけど、仕事楽しそうだな、また私も働きたい…!!ってことだった。
そしてまんまとVERYを読んでみたくなった。
 

 

VERY(ヴェリィ) 2016年 02 月号 [雑誌]

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