かぼちゃねこ日記

アメリカから見えるもの。考えたこと。

退職と価値観

昨年末、会社を退職した。

希望する仕事ができていたし、退職理由は夫の海外赴任に同行するためという自分の意思とは関係ないことだったので、退職したらすっごく落ち込むんだろうなぁ、と思っていた。
しかしこの数年間悩みに悩んでいたからか、退職しても落ち込みが全然襲ってこないのだった。
あれ?と意外に思うほどすっきりしている。
どうするか悩んでいた時の方がよほどどんよりしていて、人って何か決めてしまってその時が来てしまえば、こんなにもすっきりさっぱりした気持ちになるんだなぁ、と他人事みたいに思った。
 
 
その他にもこんなにすっきりした気持ちになったのにはいくつか訳がある。
 
 
退職の挨拶メールを送った時に、下記のエントリでお世話になった方から、返信をいただいた。
 
私が提案資料に書いた
「2. カムバック制度で再雇用時に、育児や介護等の事情がある場合は短時間勤務も選択可能とすること。」
が新制度として組み込まれるとのことだった。
あの時勇気を振り絞って提案書を提出してよかった、と思った。
私が今後、その制度を使うかどうかは分からないが、お世話になった先輩方と同じように自分も後輩に何かしたい、という気持ちがあったので、後輩のために役立つものを残すことができたことが嬉しかった。
 
 
また学生時代からお世話になっている方に挨拶メールを送ったところ、うちの会社の仕事を在宅で手伝いませんか?とオファーをいただいた。
ビザや会社の規定等があるので、すぐにはできないと思うが、そんな風に必要としていただけることが嬉しかった。
 
 
そして、同期からの返信メール。
そこに書かれている言葉が全然響かない。
なんだかすっかり自分には関係ない話に聞こえて、「そんな時代もあったねと〜」と頭の中で中島みゆきが歌いだす始末だった。
例えば新入社員から即本社配属されたことは同期の中でトップクラスなんだという自負、とか、今の自分がやっている仕事の素晴らしさの説明、とかそういうことがよく分からなくなっていた。
以前だったら、そんなトップクラスに私もいたのに悔しい、とか、同じ仕事をしていたあの人があんな楽しそうな仕事を…!とか色々感じただろうに。
もう会社同期たちとは全然違う場所に立ってるんだなぁ、会社の中での価値観、ステイタス、プライドとかがもう全然理解できなくなっている。
私の中の価値観はすっかり変わってしまった。
 
それは中野円佳さん言うところの「意欲の冷却」なのだろうけど、ウェルカム!意欲の冷却!って感じだ。
立場が変わることによって、価値観が変わることは悪くない。
むしろ、何回もこうやって価値観の変化を感じられたらいい。
正しいこと、価値のあること、誇りとすること、なんてそれぞれの立場によって変わることで、唯一の解があるわけないのだから。
立場が変わることで、もっと多面的に物事を見られるようになるといい。
 

 

時代

時代