辻村深月「朝が来る」を読んで
この頃、女性作家が書く話しかほぼ読めなくなっている。
大人になったらいろんな世界を知っていろんな話を読めるようになる!と思っていたのに、男性作家が書くものは女性観男性観が気になって読んでる途中で許せなくなり、話に集中できなくなることが多くなってきた。
「浮気してるくせに本当の愛とは…とか言ってんじゃねえ!!」
とかね。
年をとるごとに興味が狭くなるというが、これもそういうことなんだろうか。
そうだとしたら、ちょっと寂しい。
そんな私がほぼ全編、涙と鼻水をずるずるずるずるさせながら読んだ本がこちら。
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読み終わった最初の感想は、
女として生まれるということはなんて残酷なんだろう。
ということ。
女に生まれたいと思って生まれた訳ではない。
希望した訳ではないのに産む性として生まれついた。
それによって産めない苦しみ、もしくは妊娠出産してしまう苦しみを負い、男は逃げられても女は逃げられないものを背負い。
そんな中でも子どもはどうしようもない引力を持っている。
それらがぎゅーーーっと詰まってる。
話にすーっと入り込んでいける。
ひかりが「ちびたん」と呼びかけるところ。
清和の誠実さ(小説に出てくる男性が皆、清和みたいな人だったらイライラしなくて済むのに…!でもこれは女から見た理想なのでしょう)。
頭が良くて分かり合えると思っていた同僚が全く通じ合えない考え方をすることを知った時。
「血のつながり」を重視する「血のつながっている」両親と全く話にならない時。
もう、うんうんうんと頷きながらずるずるずる。
映画「そして父になる」や小説「八日目の蝉」なども思い出しながら、産むこと、血のつながり、育てること、について考えながら読んだ。
私個人は血のつながりよりも、育てた愛情や愛着が強く結びつきを生むと思っている。
それでも、「広島のおかあちゃん」はいいなあ、こんな風にオープンにして育てていけたら最高だなぁ。
そしてひかりにも朝が来ますように。
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