かぼちゃねこ日記

アメリカから見えるもの。考えたこと。

ありふれたあきらめのはなし〜女性を活躍させたいなら〜

Aさん
地方公務員だったAさん。東京で暮らす婚約者と結婚するため、仕事を辞め、上京。子どもが産まれるも仕事の忙しい夫は残業続き、土日出勤。夫も自分も実家が遠いため、年に数回子どもを連れて実家に一ヶ月単位で里帰りする。

Bさん
地方で仕事をしていたBさん。東京で暮らす婚約者と結婚するため、上京。東京に支店がないため、仕事を辞める。東京で仕事を探そうとしている内、妊娠が分かりそのまま主婦に。子どもが幼稚園に入りそろそろ仕事を探そうとした時、夫の海外赴任が決まり、赴任に同行。赴任同行家族は現地での労働禁止の規定あり。

Cさん
東京で働いていたCさん。婚約者が地方勤務になり、結婚後同行。その地方には支店がなく、仕事を辞める。1年後、夫は東京勤務に。働いていた会社にカムバック制度はないのでそのまま主婦に。


これは私の周りにたくさんある女性達の話のごく一部です。私もそういった女性の内の1人です。皆さん旦那さんと同じ四大卒の人が多いです。
こういったことは日常茶飯事で、もちろんこんな「小さな」「よくある」女性の絶望やあきらめは報道なんてされない。
むしろ「女性の幸せ」として前向きに捉えられることも多い。

「女性の活躍」が求められ、育児も仕事もバリバリ!キラキラ!な前向きな姿が報道されますが、そういうキラキラな人達の何十倍もこういった女性が存在している。

結婚するために住む場所を変えて、仕事を辞めて、育児と家事に励む。それが結果的に幸せな人もたくさんいる。
それならば、なぜそれが「女性の」幸せなのか?「男性の」幸せであってもよいはず。
それでも、男性が結婚するために仕事を辞めて住む場所を変えて、育児と家事に励む。という話は私の周りでは聞いたことがありません。

旦那さん側に「結婚する時、奥さんの働く場所に転勤願いを出すことは考えなかったの?支店、あるでしょう?」と聞いたことがありますが、「そんなこと、考えたこともなかった。」というのが彼の答えでした。

女性の活躍(労働力が足りないので仕事を続けて欲しい)を進めたいのなら、日本の女性は働き続ける気がない、と女性にだけ責任を押し付けるのはやめませんか?

上の例を見ても、女性だけのせいなんてこと、ないと思う。
そりゃあ週末婚にするとか、夫単身赴任で奥さんは働きながら1人で子ども育てるとか、かなり頑張れば働き続けられるんだろうけど、そしてそういう頑張ってる人ばかり取り上げられるんだけど、頑張らなくても家族一緒に住んで両親共に働いて子ども育てて、という両立生活ができるようにするには、どうしたらいいのか?

2〜3年毎のローテーション転勤をやめるとか、柔軟に配偶者の住む場所に転勤できるようにするとか、長時間勤務土日出勤を見直すとか、中途採用を増やすとか、できることはたくさんあると思います。

私自身、子どもが保育園に入れて夫も私も東京勤務で、実家が近くて手伝ってもらってなんとか回していた数年の両立生活は、なんという恵まれた奇跡的な環境だったのだろう、としみじみ思います。それを恵まれている、奇跡的な環境にある人しかできないことが、今の大きな問題だと思います。
もっと普通の人がゆるく働いて子育てできるようになりたいよ。