かぼちゃねこ日記

アメリカから見えるもの。考えたこと。

アメリカで、詰んだ、、と思った日。

アメリカで子育て、
というのはとても聞こえがいいらしい。

夫がアメリカ赴任になるかも、という話をしたときに、一様に返ってくる反応は、
「いいねー、うらやましい。」「貴重な体験。」「子供はあっという間に英語ぺらぺらになるらしいよ。」
というものだった。


2年間アメリカで暮らしてみて、実際どうだったか?書いてみたいと思う。

子供も自分も健康な時は、アメリカでの子育てはとっても楽なことが多い。

まずは、どこまでもベビーカーで入っていける。
例えば病院でも上の子のお稽古事でも、ベビーカーで熟睡している下の子を起こして、もしくは抱っこして、靴を脱ぎスリッパに履き替える、という手間が必要なく、
診察室でもバレエスタジオでもそのままベビーカーを押して入っていける。

公園は広く、自由に出入りできる芝生の広場があって、日本みたいにそこには入っちゃだめ、何々しちゃだめ、という注意書きは皆無。
公園のテニスコートは無料で自由に使える。

洗濯物は干す手間がなく、部屋に備え付けの乾燥機に投入して乾かす。
食器も同様に、部屋備え付けの大きい食洗器に投入、乾燥まで自動的に行う。
ただし、布地が傷みやすい、毛玉ができやすいため、室内干ししている人や、食器も手洗いにこだわる人もいるみたいだ。
私は面倒くさがりなので、気にせず機械にお任せしてしまっている。


その反面、病気になると、日本国外にいる辛さをしみじみと感じる。

歯医者は保険を適用しても数百ドルかかることが普通。

医者は日本のようにふらりと行っても診てもらえないので、予約が必要。
しかし、この予約がよほどの急患でない限り、当日とれることはほぼなく、明日来てください、と言われることが多い。
診てもらっても、ファーマシー(薬屋)でこの薬を買って飲んでね、と言われることが多いので、段々医者には行かず、電話で症状を伝えて「どの薬を飲めばいいですか?」と聞くことが多くなった。


そして、実家というカードを切れないのが、海外生活で一番きついことだった。
私が一番、詰んだ、、と思ったのは、自分がインフルエンザにかかってしまったとき。

まずは上の子供がインフルエンザにかかり、とにかく当日診てくれる医者を探し当てて、車で20分運転して出かける。
下の子を置いておくわけにもいかないので、一緒に連れていき、タミフルの処方せんを出してもらう。
子供用タミフルを売ってくれるファーマシーは車で30分かかる場所であることが判明し、連れまわすのは可哀想で、そのまま帰宅。
次の日出張から帰ってきた夫にタミフルを買ってきてもらい、飲ませる。
子供の症状が和らいだところで夫、またも海外出張。

そして次の日、私が発症。
とにかくベッドから起き上がれない。
上の子はまだ熱が引いたばかりなので学校に行かず、自宅待機。
下の子は超絶元気。
起き上がれない私に不安を感じて下の子号泣。
それに不安を覚え、上の子もなぜか泣きながら怒っている。。
とにかく、この人達に食べ物を食べさせないと、、と這いずってパンとありあわせを出す。
二人とも元気そうだけど、インフルエンザの熱が引いたばかりの子と、家族二人がインフルエンザにかかっている(潜伏期間かもしれない)子を友達の家に預けることはできないし、
インフルエンザ菌の巣窟だろう家まで食事を持ってきてと頼むのも気が引ける、、。
ということで、たった一人、39℃の熱にうめきながら、二人の子供の面倒をみた。
これが日本だったらなぁ、と思った。
どんなに遠方でも、夫が海外出張で子供が二人家にいる状態で、私がインフルエンザで動けなかったら、間違いなく私か夫の両親が駆けつけてくれるだろう。
(そういえば私の両親はパスポートも期限切れてるのだった。何かあったとき、どうするつもりなんだろう、、。)
これが海外で暮らすってことかぁ、と絶望の中、思った。
医者まで車を運転できないし、ファーマシーにも行けないため、子供の残りのタミフルを飲み、熱が引くのを待った。

次の日から自宅待機期間が終了した上の子は、友達に車で学校に送ってもらった。
これが日本だったら、上の子は勝手に一人で学校まで歩いていくし、給食も食べてくるんだろうな。。
と思いながら、だるい体をひきずりつつ、弁当を作った。
(友達がお弁当も作るよ、って言ってくれたのだけど、なぜか大丈夫と言ってしまった。。意地っ張り。。)


とにかくアメリカ駐在員は出張が多い。
月の半分くらい家にいないこともザラだ。
その留守中、自分と子供を健康に保つこと(特に自分ですね。自分が倒れると、何もかも機能しなくなる。)が最大のミッション。
とは言ってもインフルエンザなんて災害に近いからな、、家族全員予防接種してたのに、このありさまでした。

あ、あと、子供、2年では全然英語ぺらぺらにはなっておりません。
ある程度聞き取れるようだけど、やっぱり100%理解してるとは言いがたい。
ESLクラスから抜け出すのは標準で3年以上はかかるよう。
そりゃそうだよね。。
子供だから簡単に英語ペラペラになる、なんて、それは神話。まぼろし
子供も大人も学習した分、経験した分しか上達しない。ですね、、頑張ります。押忍。